ここしばらくあまり腰を落ち着けてSlashを読んでいないのですが、それでもちょこちょこ読んではいる作品の中から、忘れないうちに覚書程度の感想文を書いておきたいと思います。
ドラマの1シーズン分一挙鑑賞耐久マラソン(現在は『ミレニアム』という超重たいドラマを…)みたいなことをやってると、ドラマの世界に入り込みすぎてその他の記憶がぼんやりしてしまうことがあって、既に流し読みをしたままお気に入りに入れる決心をつけかねたままどこかに行ってしまったお話がある気もしていますが、とりあえず記憶に残っているものから少しだけ…。
ラブコメSlashチャレンジの中から
これぞラブコメの王道!という映画を元ネタにした作品もいくつか読んでいるのですが、今回のチャレンジで読んできた作品全体を振り返ってみると、(少なくとも私の場合)元ネタの映画を知らないものの方が、深くじっくりと楽しめるらしいという傾向が見えてきました。
ということで、以下に挙げる有名ラブコメ映画を元ネタにしたお話についての感想はかなり辛口になってしまいそうではあります。
***
J2版『You've Got Mail』
『
Don't Judge A Book By It's Cover』
Word Count:12,300語
Rating: R
地元に根ざした小さな、しかもレシピ本専門の本屋さんの二代目オーナーJaredと、大規模なディスカウントブックストアのチェーンを展開するAckles家の跡継ぎ
(って訳じゃなかったかな?次男坊で、新たにJaredの店の近くにオープンした支店の経営を任されたのだったかも…流し読みで既に記憶が…)Jensen。
近くにAckles家の支店が出来て以来、経営に大打撃をこうむっているJaredの唯一の楽しみはネット内で知り合ったとある友達と気楽に好きなことについて楽しくチャットすること。
意気投合した二人はReal Lifeで会う計画を立てるのですが…。
というのは、映画の設定そのものですよね。
ネット内でしっくりと打ち解け合って、どんどん仲良しになっていく二人の様子と、厳しいReal Lifeでの険悪な関係(でも内心は惹かれ合わずにはいられない感じで)のギャップにはどうしても胸を締め付けられずにはいられませんが、ラブコメ映画を元にしているお話の辛い落とし穴として、ヒロインが投影されているJaredが…、ちょっと…、乙女っぽい?とう残念なところはあるものの、すれ違う二人の様子にどきどきできただけでも読んだ甲斐はあったといえるのかもしれません。
☆
J2版『Notting Hill』
『
That'll Give You Bees』
Word Count: 18,515語
Rating: NC-17
このお話の冒頭についてるリンクから飛んでいけるこのお話のタイトル『That'll Give You Bees』の由来のお話が楽しいです。
自分が働いている店に突然ゴージャスな大スターが現れたとしたら、その時自分はまともな接客なんかできるだろうか?と考えると、きっと私もとんだマヌケぶりを晒すことになるに違いないと確信できるところ。
大スターのJensenがお忍びの休暇にやってきた田舎町で、ペットショップを経営するJaredと出会うというのがこのお話の大まかなストーリーです。
元ネタの『Notting Hill』を観たのは随分前のことで、詳細はほとんど覚えていないのですが、私、ひょっとしてジュリア・ロバーツの映画って好きじゃないのかも…。
私は、無駄に周囲の人間を振り回し続けるドラマクイーンって好きじゃないので。
Notting Hillという映画自体にどういうわけかあまりいい印象が残っていないので、それが影響しているのかもしれませんが、ひょっとしたらこのお話のキャラ設定は、変なところで映画に忠実すぎるためになんとなく違和感を覚えるということなのかも。
あとほんのちょっと書き方を変えるだけで、心から登場人物に感情移入して物語を楽しむことができたと思うのに…と思ってしまうような、少々残念な出来のお話でしたというのが私の正直な感想です。
集中力が欠如した状態で読んだために、私に限ってだけ、ちゃんと登場人物の機微が汲み取れなかったという可能性もありますので、
もし「私はNotting Hillは好きだったけどな…」
という方がいらっしゃったら、私のひねくれ感想なんかは気にせず素直な気持ちで読んでいただくことをお奨めします。
J2の二人が出会って仲良くなっていく辺りの展開はとても可愛くて、わくわくどきどき読めることは間違いなく保証いたします。
☆
J2版『Pretty Woman』
『
It's In His Kiss』
Word Count: 28,000語
Rating: NC-17
これもジュリア・ロバーツか…。
若き実業家Jensenが、鬱陶しいお義理のパーティーを抜け出してのホテルへの帰り道、いかがわしい通りで道に迷って HookerのJaredに出会う、というまさに『Pretty Woman』なお話ですが…。
まず、このお話で私にとってネックになるのは、NC-17シーンの8割がたが
Jared受であるということ。
そこまでの道順どころか名前すらもうろ覚えのホテルに
(それが、Jensenが道に迷うための大前提なので)、Jensenの学生時代からの親友のクリスがエレベーターボーイとして勤めていたりする上、
大富豪のJensenが滞在するような超一流ホテル内のクラブで、クリスのバンドが日常的にライブをしている、
なんていう細かいところで
「むっ?それってあまりに同人誌的というか、素人っぽい設定なんじゃない?」
と微妙に突っ込みを入れたくなるのは、私がSlashに多くを望みすぎるおばさんだから、ということにして。
ほとんどJared受というカップリングではあっても、J2のキャラクター自体はとてもよく魅力的に書けていたのは確かです。
特にJaredがHookerに身を堕とすまでのバックストーリーの辺りでは、ついほろりとさせられたりもしたり。
このお話もJaredがHookerかー、じゃあきっとJared受ってことだよね、と思った時点で、かなり流し読みになってしまったので、じっくりと腰をすえて読んだら印象も変わるのかもしれませんが、世の中に読みたいSlashはまだまだ大量に控えているので、第一印象で切り捨ててしまう作品が出てきてもしかたないと自分に言い聞かせつつ、また次の作品を読むのです。
☆
最後に一つ、元ネタの映画を見ていないお話を
元ネタの映画(&原作本 by Laura Zigman)は『Animal Husbandry』
『
Waiting for you to come through』
Word Count: 20,000語
Rating: NC-17
このお話のPairing:
Jensen/JDM, various minor pairings with Jared including Jared/Sandy, Jensen/Jared.
なんて書いたことで、かなり潜在的な読者を減らしてしまっているのではないだろうか、と思うのですが…。
読者の興味を引きたいのなら、Jensen/JDMから最終的にはJensen/Jaredになります、と書くべきだったのに、と、他人の書いたお話ながら、少々心配になってしまいます。
私はどういうわけだかJensenがどんな相手と組まされていても
(Jensenが受でさえあるならば、基本的になんでも)読めるのに、Jaredが別の人とカップリングされているお話を読むことには物凄く抵抗があるのです。
(例外は、本命にJensenがいるのに、Jaredが超攻キャラとして浮気して回るようなお話ならOK、いや大好きかな…)私の好みと全く逆のこと
(Jaredは誰とやってもいいけど、JensenはJared以外とは絶対駄目!)を言ってる人を最近見かけて、こうした好みって何を根拠に分かれるのか、一度じっくり検証してみたいと思っているところでもあります。
JensenがJared以外で組まされるお相手の候補として、JDMはもちろん私の一番のお気に入りになるのですが、残念ながら、どうもJensen/JDMで良質のお話にはなかなか行き当たりません。
(今までそれほど真剣に探したこともないのでまだ見つけていませんが、SPN Fandomも三年目を向かえている現在、ひょっとしてJensen/JDMカップリング専門のコミュニティーも存在したりするのかもしれませんけれども)abouttwoboysのラブコメチャレンジの中に、このJensen/JDMというカップリングを見つけて大喜びで読み始めたものの、冒頭のPairingの説明は…、確かにお話の流れに沿っているという意味では正確ではあるけれども、もうちょっと違う書き方があったんじゃないの?という小さな不満がどうしても湧いてきます。
とはいえ、このお話は、なんだかとても面白かったです。
ネタバレ的にあらすじを書いてしまうと
(以下、まっさらな状態で読んでみたいという方、反転ご注意ください)どうにも
男運のないゲイのJensenが、恋愛関係でこうむった酷い痛手をマニアックな学術書の研究に没頭することで昇華していく、というようなおかしなお話であるといえるのだと思うのですが…、
Jensenのキャラクター、ある意味ではかなり乙女系だともいえるはずなのに、違和感なく「可愛い、面白い」と感情移入できるのも不思議なところです。
私はSlashに出てくるキャラクターが乙女系になることに非常な抵抗&違和感を覚えることも多いのですが、そういった「
イラっとする!」乙女系のお話と、
今回のお話や、先日感想文を書いた「可愛いすぎて三頭身になっちゃったJensen」が出てきたお話のように、なんの抵抗も感じずに楽しく読めるお話との差はいったいなんなのでしょう?
怖い定義になってしまうけど…、作者の腕…?
巻末の感想のコメントを流し読みすると、元ネタの映画をみたことがある人も、みたことがない人も、揃って「すごく楽しめた!」と言っているのが目に付くのが、今回のチャレンジへの投稿作品の中でもある意味異質で新鮮な感じです。
この元ネタの映画が大好き!だと言っている人が、このお話を読んで、映画を見た時の「面白い!」という感覚が鮮明に蘇ってきた、と語っているのに加え、Writerさんによる「おことわり」文、
Disclaimer: Not mine. I really lifted a lot more than I thought from the movie and the book it's from, "Animal Husbandry" by Laura Zigman. It just.... worked for me that way. Please don't sue!を読むと、
このお話を読んでいる間、「専門的なことを事細かに引用していて、すごい!」と感じた部分や、Jensenの行動の詳細な描写は、元ネタの映画&原作本からのかなり忠実な引用であったのだろう、ということが想像がつきます。
あくまでJensenの不幸(?)に感情移入することが楽しいというお話で、結局私が楽しみにしていたJDMとの関係についても、ラストに「やっぱり!」という感じで巡ってくるJaredとの関係についても、あーっもうちょっと突っ込んで書いて欲しかった!という印象が否めず、
Jensenの恋愛をメインに読めるような純粋な意味での『ラブコメ』作品にはなっていないというのがほんのちょっと残念なところではありますが、今回のチャレンジ中初めて、Slashを読んだ後に元ネタの映画も見てみたい…と思わせてくれた作品でした。
ざっと調べた限りでは、映画も原作本も日本仕様では発売されていない?ようで、残念です。
(いつも調べ方が雑なので、実は翻訳版の本くらいは出ているのかも…)
***
そういえば最近、かなり難解なサスペンス系AUのお話(かなりの名作)、
一つは、Apocalypseとネット犯罪を絡めたもの、
もう一つは、夫婦であるJ2が主人公の、Jensen誘拐もの
を読んだことを思い出しました。
またその内、時間ができた時に、覚書程度の感想を書きたいと思います。
(でもお話へのリンクがどこかへ行っちゃったかな…)